ヤナギバ ルイラソウの花

生け垣として植えられるヤナギバルイラソウは、成長が早いため、定期的に根元の近くまで剪定される。

しかし、すぐに葉が成長し、芽が出て花をつけ始める。

その根性には感心させられるほどの強い生命力を持つ花のようだ。

強い日差しの中では、涼しげに咲く美しい花だが、曇りの日には紫色がけだるさを与える花に見える。

南米に由来するこの花には陽気さと強さが感じられる。

スペインでは「スパニッシュ レディー」と呼ばれており、メキシコでは「メキシカンブルーベル」として知られている。

日光に似合うその陽気さは、まさに魅力的である。

日本では「ムラサキ イセ ハナビ」という名がある。

イセが伊勢を指すのか、それとも威勢を示しているのかは不明だが、 多分威勢のイセであろう。

ふと気づくと、紫の花火があちらこちらで力強く打ち上がる、そのような印象を名前に与えたのかもしれない。

大雨にじっと耐え忍ぶムラサキイセハナビーは、情熱を内に秘めた強くて耐える女性の姿を思わせる。

台風の雨の中、小さくしぼんだ花びらは紅色を増し、火のように力を蓄えながら耐えているように見える。

輝く日光を待ちつつ、火のような情熱と活力を持ち続け、いずれ時が来れば涼やかに優雅さを表現するヤナギバルイラソウ。